腰部脊柱管狭窄症
2006年05月14日
Q8.「1 0分ほど歩くと足に痛みとしびれが. . . 。」
農業に従事している6 0 代の男性N さん。最近仕事がはかどらないと来院されました。
「N さん」: 少し歩くと両足が痛くてしびれてダメだわ。最近ますます歩けないようになってきたわ。
( 診察室に入ってきたN さんはさほど辛そうには見えませんが)
「フー」: どれくらい歩けますか?
「N さん」: 1 0 分くらいかな。前はもっと歩けたんだけど。でも、少し休むと痛みは全く無いんだよ。また、歩けるようになるしな。
「フー」:( 診察を終えて) 少し足の力が弱くなっているみたいですね。MR I で確認しておきましょうか。
休むと症状がとれて楽になるようです。さてN さんの疾患は?
A8.腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
「間欠跛行」(かんけつはこう)が特徴です。
つまり、歩いていると足が痛くなったりしびれたりしますが、しゃがんで一休みすると痛みもとれてまた歩ける症状。これが特徴です。
文字どおり、脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなることにより起こる病気です。
この脊柱管が狭くなると神経や血管を締め付けて症状がでるといわれています。症状が強い場合は手術が必要となります。
骨粗鬆症
2006年05月14日
Q7.「腰だけではなくて背中まで. . . . 。」
S さんの悩みは何もしていないのに、腰から背中にかけての痛みが出る事です。
「S さん」:先生?何か悪い病気かしら。何にもしていないのに痛いなんて. . . 。
しかも急に強い痛みになったりするんです。
「フー」: すこし背中が丸くなってますね。
「S さん」: そうなんです。鏡をみて悲しくなりましたよ。年々、背も低くなっちゃって。もう年なんですね。
「フー」:( レントゲンを見ながら) そうですね。少し骨が潰れているところがありますね。
A7.骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨粗鬆症は骨からカルシウムが抜けて骨の量(骨量)が減ってしまい、骨がもろくなってくる病気です。
骨が「スカスカ」になってくるんですね。
当然高齢者に多く8 0 歳以上の女性では約8 割の方に骨粗鬆症があると報告されています。
この骨量の減少は体中で起こりますが、特に背ぼねで起こります。
腰だけではなく背なかも痛くなることがあります。はっきりした原因がなくても、弱くなった骨は体重を支える事が出来なくなり、いつのまにか潰れてしまう事も少なくありません。
これを「圧迫骨折」(あっぱくこっせつ)といいます。
骨粗鬆症についてはいずれ別の機会にガイドしますね。
腰椎椎間関節症
2006年05月14日
Q6.「足の痛みやしびれが出ることは殆ど無いんです. . . 。」
来月で6 0 歳を迎える主婦のH さん。とにかく台所での立ち仕事が辛いそうです。
「H さん」:( 少々太り気味のH さん。) 先生。立っている時間が長くなると腰とか足の付け根( 鼠径部) が痛むんです。
「フー」: 足には痛みやしびれはでないですか?
「H さん」: ええ。そんな事は無いです。
「フー」: 辛い姿勢はありますか?
「H さん」: 腰を反らすととっても痛いんです. . . 。
「フー」: H さんは少し腰の前湾( 腰の前に凸のカーブ) が強いですね。
ヒント: 殆どの方が5 0 歳以上です。さて、この疾患は?
A6.腰椎椎間関節症(ようついついかんかんせつしょう)
少々難しかったですね。50歳前後の方に多い病気です。
長時間立っていたり、腰を反らすと生じる腰痛や足の付け根の痛みが特徴です。
加齢とともに椎間板が変性してくると椎間板の高さも減じてきますよね。
すると椎間関節に負担がかかってくるんです。特に背ぼねを反らしたり、腰が前に出ると、椎間関節への負担はさらに強くなります。治療は保存的となります。
腰椎分離症
2006年05月14日
Q5. 「小学校からずっとサッカー頑張ってます. . . . 。」
長身のJ 君は名門高校サッカー部の2 年生。中学校の頃から慢性的な腰痛に悩まされています。
「J 君」: しばらく調子良かったんだけど. . . 。合宿で無理したからかなぁ。
「フー」:( 診察しながら。)少し腰部の筋肉が緊張しているね。ここは痛い?(叩きながら)
「J 君」:「痛っ!」
「フー」: 足の痛みやしびれは無いよね?うーん。神経を圧迫している症状は出ていないようだね。
( 少しホッとする。)
「J 君」: 来月大事な試合があるんだけど. . . . 。間に合うかなぁ?
ヒント: スポーツを一生懸命にやってる学生に多いですよね。
A5.腰椎分離症(ようついぶんりしょう)
日本人の約4 〜6 %くらいの人に腰椎分離があるといわれています。
正確な原因はわかっていませんが、もっとも有力な説としては、スポーツなどで腰の骨に繰り返しストレスがかかることによって起こる疲労骨折といわれています。
殆どは運動制限やリハビリなど保存的治療で改善します。
時に一部の方が骨のズレを起して「腰椎分離すべり症」となることがあります。
変形性脊椎症
2006年05月14日
Q4.「そんなに強い痛みじゃないんだけど. . . . 。」
いつもお洒落なN さんは6 0 代前半のおばさま。年に数回は腰痛で訪れます。
「N さん」:先生。また腰にきたんですよ。しばらく調子良かったんですけどね。
( いつもの笑顔で話し始めました)
朝起き掛けが辛いんです。すこし動くと楽なんで日中は意外と動けるんですよ。でも、少し無理すると夕方には痛みが強くなってきて. . . . 。
「フー」: 足のほうに痛みとかしびれはでませんか?
「N さん」: ええ。足のほうには全く。腰もどこが痛いのかはっきりしないんです。何となく全体的に重だるいというか、スッキリしないんです。
( レントゲンでは年齢的な変化・変性はありますが、特別に悪いものは無いようです)
さて、5 年ほど前から腰痛で悩まされる事が多くなったF さん。
その疾患は?
A4.変形性脊椎症
中年以降( 中年の定義は?) に多い腰痛です。
診察しても特定の病気はありませんが、レントゲン検査では老化に伴う変性がある場合にこの診断がつけられます。
もちろん、詳しい検査をしたり、経過を見て原因がはっきりつけば、よりいっそう踏み込んだ診断が付く事になります。
◆注意典型的な具体例を挙げただけですので、必ずしも全ての方に当てはまる訳ではありません。ご了承下さい。
ギックリ腰
2006年05月14日
Q3.「う. 動けません!こ. 腰が痛くて. . . . . 。」
2 0 代の若いお母さん。ストレッチャーで運ばれてきましたF さんは痛くて体の向きも変えられません。
「F さん」: 子供を抱き上げたらズキッとして( 泣) どうにもこうにも動けないんです。痛くて痛くて. . . . 。
「フー」: 少し力を抜いて楽にして下さい。少し診察しましょう。
「F さん」: ウワー!痛い!触らないで!
「フー」: わ。わかりました。少し痛み止めを使いましょうね。少ししてから。。。
レントゲン上は異常なし。神経学的には異常は無いようです。
さて、F さんの症状はいったい?
A3.ギックリ腰
F さんのように病院に担ぎ込まれた方はいませんか?
これはまさに「魔女の一撃!」と呼ばれるギックリ腰です。
筋肉や関節、軟骨や靭帯などの損傷が原因と考えられています。
多くの場合は安静と鎮痛剤などの投与で改善しますからご安心下さい。
ただ、繰り返している方は一度詳しく調べてもらいましょう。
◆注意典型的な具体例を挙げただけですので、必ずしも全ての方に当てはまる訳ではありません。ご了承下さい。
椎間板ヘルニア
2006年05月14日
Q2.時に手術が必要なんです. . . . 。
4 0代の男性T さん。歩行器につかまってやっとのことで、足を引きずり入ってきました。
「T さん」: 1週間前より腰が痛かったんですが、昨日から急に右足が痛くて今朝からはしびれも. . . . 。( 苦痛で顔を歪めています)。
「フー」: それは辛いですね。どんな姿勢が辛いですか?
「T さん」: 腰が曲げられないんです。前かがみになるとズキィーンとした痛みが. . . . 。咳をすると足先まで響くんです。
「フー」: うーん。足の力が少し落ちていますね。レントゲン上では椎間板の間隙( 椎体と椎体の間) が狭くなっているところがあります。( 一通り、説明を終えて) これは「△●□. . . 」の可能性が高いですね
MR I などで詳しく検査してみましょうね。
「T さん」: どうでもいいからこの痛みを何とかして下さぁーい!とにかく、腰痛というより、足の痛みとしびれ。
さてT さんのこの疾患はなんでしょうか?
A2.椎間板ヘルニア
T さんの症状は椎間板ヘルニアに典型的な症状なんです。
ぜひ、頭の片隅に!
椎間板ヘルニアとは椎間板の中央にある髄核(ずいかく)が外にはみ出し、神経を圧迫してしまう疾患です。
最初に腰痛が起きることが多いのですが、特に「おじぎをする動作」で痛みが強くなります。
徐々に足にまで痛み、そしてしびれがでてきます。進行すると足に力が入らないといった軽い麻痺や排尿・排便に異常をきたすこともあります。そして、時に手術が必要になります。
◆注意典型的な具体例を挙げただけですので、必ずしも全ての方に当てはまる訳ではありません。ご了承下さい。
筋膜性腰痛症(腰痛症)
2006年05月14日
さあ、診察室に腰に手を当てながらスーツ姿の男性A さんが入って来ました。
「フー」: こんにちは。どうされましたか?
「A さん」: 先生。最近、夕方になると腰が痛くて、痛くて。
「フー」:( カルテを見ながら。) 営業のお仕事なんですね。ところで、どんな痛みなんですか?
「A さん」: つっぱると言うか、重だるいというか. . . . 。最近、仕事が忙しくて1 日中お得意さま回りしてるんです。車を運転して営業所に戻るときには腰が痛いんですよ。
( なんだか疲れきった表情をしています)
「フー」:( 一通り、診察を終えて) A さん。動きも悪くないですし、レントゲン上も異常はないようですね。神経を圧迫しているような所見もないですよ。他にも沢山おられます。
仕事で、長時間パソコンに向かう事が多く、肩こりにも悩んでいるB さん。
台所で食事の準備をしたり、掃除機をかけたりすると痛むC さん。
はたまた、徹夜マージャンをしてたら腰がパンパンに張ってしまったD君。
腰痛の大半をしめるこの疾患はなんでしょう?( 姿勢が関係してそうです)
A1. 筋・筋膜性腰痛症(腰痛症)
さて、A さんからD君まで共通しているのは、「不良姿勢」や「同一姿勢」なんです。車の運転や長い間前かがみで机に向かっていたり. . . 。
このような姿勢は筋肉の疲労を起こします。そのために腰痛が起り易くなるんですね。
筋肉の疲労が原因で起る腰痛のことを「筋・筋膜性腰痛症」といいます。
ただ、腰痛の原因はさまざまで、はっきりわからない事も多いんです。
そこで、レントゲン上も神経学的にも異常が無いし、さて原因は??
なんて時、差しあたり「腰痛症」と診断します。
◆注意典型的な具体例を挙げただけですので、必ずしも全ての方に当てはまる訳ではありません。ご了承下さい。
腰痛は国民病
2006年05月14日
平成13年度の国民生活調査によると、国民の対1, 000人当たりの腰痛有訴者は、男性が80. 8人で第1位。女性が110. 8人で第2位なんだそうです。
まさに腰痛は国民病ですね。
そこで、まずは腰痛を起こす代表的な疾患をガイドします。疾患の一覧では教科書のようでかえって頭に入らないですよね。
次ページよりQ&A 方式でガイドします。一緒に考えてみましょう。